連日気温が30度を超えた6月中旬に東京を抜け出し奥日光で優雅に避暑サイクリング。(1)は日光市道1002号線で小田代原や中禅寺湖西岸を巡った(2025/6/15-16)
「酷暑」と言われる厳しい暑さがスタンダードになって久しい日本。関東近郊において暑いシーズンに標高の低い場所(特に海に近い河川敷など)でのサイクリングは脱水症や熱中症のリクスがあり身体に良くない(と思う)。そんなわけで、暑さを避け奥日光まで出かけ、ついでに優雅に過ごしてみた。
目次
ルートマップ(撮影ポイント付)
中禅寺湖の西にある駐車場を出発して、日光市道1002号線を走るルート。千手ヶ浜から中禅寺湖北岸までのルートは自転車の走行が禁止されている遊歩道なので、自転車を押して歩いた(一部担いだ)。
奥日光で優雅な避暑サイクリング
竜頭の滝 臨時駐車場スタート
標高約1,280mの竜頭の滝 臨時駐車場にクルマを停めサイクリングスタート。
まずは国道120号線を走る。

国道120号線は起点の栃木県日光市から、群馬県利根郡片品村を経由しながら西進し、終点の群馬県沼田市までを結ぶ路線で、一部は日本ロマンチック街道となっている。
路面の状態は良いとは言えないが、景色は良い。遠くに男体山、左右にミズナラ、ブナ、シラカンバ、カラマツなどの林、眼下に中禅寺湖が見える。
日光市道1002号線
そんな景色を眺めながら北に進むと、日光市道1002号線の入口が現れた。
国道120号線と中禅寺湖の西岸にある千手ヶ浜を結ぶのが、「日光市道1002号線」。赤沼と竜頭の滝のちょうど中間あたりに入口ゲートがあり、千手ヶ浜までおよそ8.5kmのコースとなる。ゲート付近の標高は1,390m。

日光市道1002号線は、自然保護のため一般車両の通行が禁止されている。通行できるのは「歩行者」か、「低公害バス」か、「自転車」の3つ。

日光市道1002号線は走り出してすぐ分かることは、「静か」で「空気が澄んでいる」ということ。
耳に入ってくる音は、鳥の声と風が木々を揺らす音、そして自分が発する走行音だけ。

路面もひび割れや段差が少なくて滑らか。

こんなに空気が澄んでいる森の中に滑らかなアスファルトが敷いてあって、(低公害バス以外の)クルマが通らない道路が他にあるでしょうか。
小田代原
日光市道1002号線は、ゲートから標高を徐々に上げ、小田代原付近では1,400mほどになる。
小田代原は環境省の日本の重要湿地500、国際条約のラムサール条約湿地に登録され保護されている。

小田代原は湿原から草原への遷移期にあり、ここはやがて草原になってしまうのだろう。

ちなみに小田代原は「おだしろがはら」と読む。
小田代ヶ原(おだしろがはら)は、栃木県日光市の日光国立公園内にある湿地。湯川の西岸に位置する周囲2kmの湿原で「小田代原」と表記することもある。

道路脇に野生動物が歩いていたので停車した。ノロノロと歩いていたのは狸だった。

小田代原を過ぎると弓張峠(標高1,443m)への上り勾配を少しだけ感じる。
弓張峠の先は千手ヶ浜(標高1,300m)まで、外山沢川に沿った日光市道1002号線をさぁーっと下る。

外山沢川の冷たい水があたり気温を下げてくれていて気持ちが良い。
清々しい空気の中を走る。

あまりにも景色が美しいのでじてんしゃを停め眺めていると、草むらにじっとしているキツネを発見。
再び走り出すと、今度は岩陰から大きな生き物が急に走り出した。これにはびっくりしたが、黄土色の生き物だったのでどうやら鹿みたいだった。
奥日光には、ニホンカモシカ、ニホンザル、ツキノワグマ、ニホンジカなど、多くの野生動物が生息している。野鳥の種類も豊富だそうで、特に戦場ヶ原は有名な探鳥地なんだとか。
千手ヶ浜
野生動物との遭遇やきれいな野草に癒やされながら走っていると、やがて日光市道1002号線の終点、千手ヶ浜に到着する。
千手ヶ浜には桟橋があり、クリンソウが咲く時期だけ遊覧船がアクセスしている(2025年は6月15日で終了)。

中禅寺湖の北岸を歩く
千手ヶ浜浮桟橋で遊覧船と一緒に写真を撮って帰路につく。

千手ヶ浜から先の中禅寺湖の北岸部分は自転車走行禁止区域となっている。しかし、徒歩であればスタート地点の竜頭の滝 臨時駐車場へ戻ることができる。
距離もそんなにないので歩いてみることにした(これが後に大変なことになる)。
(千手ヶ浜から中禅寺湖 北岸部分は自転車走行禁止区域です)
じてんしゃを押しながら遊歩道を進むと、所々、湖が見える景色が開ける。

(千手ヶ浜から中禅寺湖 北岸部分は自転車走行禁止区域です)
最初のうちはフラットな道で歩きやすかったのだが、徐々にアップダウンが出てきて細い道はじてんしゃを担いだ。また、ハイカーが来たら停車して道を譲った。

(千手ヶ浜から中禅寺湖 北岸部分は自転車走行禁止区域です)
栃窪を過ぎると、階段がある箇所も出てきていよいよ本格的に担ぐ区間となった。ぬかるんだ場所も多かった。赤岩のあたりは、木でできたスロープがあり足が滑りそうになった。滑り止めはついているもののクリートがついたサイクリングシューズでは危険だった。
対面からトレイルランナーがやってきて「ここは自転車で通れませんよ」と注意を受けたりもした。
徒歩だとしても自転車を持っていると誤解を受けるので、やはりこの区間を通行するのはやめたほうが良かった。

ザ・リッツ・カールトン日光
駐車場に戻って泥がついたシューズを脱ぎ、汗をかいたウェアを着替えて宿泊先に向かう。そして、中禅寺湖東岸にあるリッツ・カールトンに投宿。優雅な時を過ごした。
(2)へ続く 近日公開
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