2014年6月、自転車でスイスを旅行しました。「スイス・アルペンパノラマルートを行く」では、その準備から旅行の記録を掲載しています。Day6はビュルからエイグルまで約70kmを走行。この日でアルペンパノラマルートを完走するはずでしたが、最後の最後に罠が待っていて未完走となってしまいました。
目次
ビュルのマルシェ通りで朝ごはん
6時頃起床する。前日の体調不良を引きずりながら迎えたスイス6日目。この日は100kmの走行予定が組まれていたので、ホテルを早めにチェックアウトして出発する。朝食は、ビュルの町で買ったパンを外で食べた。
ビュルの町は、スイスの南にあり隣国フランスの文化が色濃い。フランスといえばパン。当然のことながら、朝早くからパン屋が開店しているのだが、これが非常にありがたい。焼きたてのパンを食べられるのだ。スイスの朝食に出てくるパンはたいてい冷たいので、温かいパンはうれしい。朝日があたるランナバウトにベンチがあったので、朝食の場所にした。
お腹がいっぱいになったところで、今度は昼飯と補給食を調達する。
朝食を買ったお店とは違うお店で、チョコレートのクロワッサンとジャムがたっぷり入ったパンを購入。
スイス6日目の予定
ツーリング6日目は、ビュルからモントルーまで約100kmを自転車で走行、後半にあるエイグルでアルペンパノラマルートを完走する予定。
しかし、実際にはビュルからエイグルまでは自転車で走行したけれど、アルペンパノラマルートの最後の部分を走れなかった。しかも、エイグルからモントルーまでは、暑さのため走ることができず電車で輪行した。
スイス6日目の動画
まったりと走りだし、徐々に上り基調に
午前7時14分にビュルを出発し、モルロンの町からナショナルルート4号・アルペンパノラマルートに接続する。グリュイエール湖の南端から川にそって南下していく。
しばらく川沿いの丘陵地帯を走る。この日の朝は若干気温が低かったので、涼しく快適な一日になって欲しい、という気持ちで走りだした。
緑色の大地をまっすぐに伸びる平らな道を走る。しばらく幸福な時間を過ごす。
午前8時26分、グランヴィラール(Grandvillard)という町のスーパーマーケットに立ち寄る。お店を見つけたらお水や補給食を必ず買う。これがスイスをサイクリングする時のコツ。日本のように、コンビニがたくさんあるわけではないからだ。
再び走りだすと、少しずつ道に起伏が出てきた。目の前にこんもりとした丘が現れ、道がくねくねと丘に向かって伸びていた。きれいな景色だったので、しばらく眺めていたら皆に置いて行かれてしまった。
そんなに勾配がきつい坂ではないのに、皆、蛇行して上っている。
先が長いので、序盤はエネルギー消費を抑えているのだ。
アルペンパノラマルートは、しばらくナショナルルート9号の「レイクスルート」と同じ道を走るようだ。
レイクスルートの詳細は
・スイス政府観光局/スイスモビリティ/Cycling in Switzerlandのページへ
上り開始
午前9時過ぎ、Mont Bovonという駅を過ぎると道は上り坂となる。
標高801mから標高1,400mあたりまで高度を600mアップする。4%ほどの勾配だ。
午前9時を過ぎ、陽が上り始めると気温がグングン上がってきた。上りはじめて30分、日陰で小休止。
日陰に腰を下ろし、持参した補給食を食べたり、水を飲んだりして各々体を休める。不思議なもので、涼しいところで栄養と水分を補給して体を横たえていると、人間は元気になるものなのだ。
突然だが、移動中の装備を紹介。こちらにも詳しく記載しているが、ハンドルにつけたフロントバックにはカメラやバッテリーなどの電子機器、トップチューブ小物入れには補給食、ダウンチューブのツール缶には工具、シートチューブには輪行袋とスペアのタイヤ1本。シートポストのリクセンカウル・コントアーマグナムには着替えや雨具。以上がバイクの装備で、背中の1.5Lキャメルには給水用のリプレニッシュを1Lを入れていた。総重量は14kgを超えていたと思う。自分は、電車で荷物を先送りするバゲージシステムを利用しなかったので、常にこの装備で走っていた。
少し標高が上がると、草原には野花がたくさん咲いていた。過去2回のスイス・サイクリングは寒い時期だったので、花が咲く景色の中を自転車で走ってみたいと、今回初夏の時期を選んだのだが、まさかこんなに暑いなんて夢にも思わなかった。
下り道には十分注意しながら走る。
いよいよアルペンパノラマルートの最終パートへ
ダン・ド・コルジョン(Dent de Corjon)とポワントダブネイル(Pointe d’Aveneyre)という2つの山の間の深い谷にそって走ると、やがて道はピークにさしかかる。
走りだして4時間、あらかたの上り道を終え、標高1,200mを超えたあたりでオングラン湖(Lac de I’Hongrin)に着く。午前10時55分になっていた。
オングラン湖は谷をせき止めたダム湖だった。
午前11時12分、日陰を見つけてまた休む。
休んでいるときに花を撮影していると、なぜか気持ちが安らいだ。
再び、暑いアスファルトの上を走りだす。オングラン湖の東端から少し行った先のオングランド道路(Route de I’Hongrin)を急な角度で右に曲がりアジット道路(Route des Agites)に入ると、いよいよアルペンパノラマルートの最終パートだ。
分岐点には、見たこともないような大きな標識が掲示してあった。地名や位置関係は合っているけれど、強調された赤い丸印が怪しい感じ。嫌な予感がするが、とりあえず前進。
少し行くと、道路がゲートによって封鎖されていた。ゲート脇の詰め所には軍人らしき人が立っていたので、英語が話せる人が事情を聞いてみた。軍人さんはフランス語しかできないスイス人のようで、お互い要領を得なくて苦笑い。とても危険だ、ということはわかったので諦めて迂回をすることに。
ラッパーズヴィルから走りだしたアルペンパノラマルートですが、全400kmの最後の部分が未完走となってしまいました。
エイグル到着、そしてモントルーへ
午後1時11分、エイグル到着。長い長いアルペンパノラマルートの旅がここで終わった。最後のパートは未完走となったが、アルプスの壮大な景色の中を巡るサイクリングを存分に楽しむことができた。
このあとはレマン湖のほとりをモントルーまで走る予定だったが、あまりにも暑くて、わずか30kmの距離を走れずに電車で輪行した。
所要時間20分、運賃6スイスフランでモントルーに到着。
レマン湖は、なんとたくさんの人が泳いでいた。スイスはもう夏だったんだ、とあらためて思った。自分も泳いでみたが、湖水はやはり少し冷たかった。
この日の夕暮れに、涼しい湖畔で飲んだビールがどれほど美味しかったことか。
走行距離:70.2km 獲得標高:1,152m 平均速度:10.3km/h
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