じてんしゃで沖縄の美しい道を走るシリーズ記事、沖縄ちゅら道ポタリング。(11)は、勝連半島から近隣離島に伸びる全長約5kmの「海中道路」を走った(2024/4/4)
目次
ルートマップ(撮影ポイント付)
海中道路とは
海中道路については、wikipediaに次のような記載がある。
沖縄県うるま市にある道路。沖縄県道10号伊計平良川線の一部分であり、勝連半島(与勝半島)から平安座島を結ぶ5.2 kmの道路である。
沖縄本島と離島との間に横たわる海のなかを、橋ではなく堤防上の道路(土手道)として造られており、船舶航行のための橋1か所と潮流確保のための水路2か所が設けられている。
中央分離帯のある4車線の道路で、線形もほとんど直線である。当初は産業道路として建設された道路であるが、近年はレジャースポットとしても人気がある沖縄を代表するシンボルロードとなっている。
English: N日本語: えぬ, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
与那城総合公園 駐車場
爽快!海中道路を走る
与那城総合公園
スタート地点は、海中道路のたもとにある与那城総合公園。前回は読谷村から伊計島まで往復100kmも走って熱中症になりかけたので今回はのんびりモードで行くことに。
爽快さと海への近さが魅力
公園の前の交差点を渡ると、県道10号伊計平良川線の屋慶名。
9時40分、勝連半島から近隣離島に伸びる全長約5kmの「海中道路」を走り出した。軽車両の自転車は基本は車道走行なのだが、歩道が広く歩行者も少ないので私は歩道を走らせてもらった。
海中道路と言っても、道が海中にあるわけではなく、海の上にほぼ一直線に伸びた橋の上を走る。四方が海にで囲まれた道路なので爽快この上ない。
通常の橋より高さが低いので、海面が近くに見えるのも魅力。金武湾の遠浅の海が直ぐ目の前にひろがる。また、ガードレールがない場所も多く、歩道から砂浜へすぐに降りることができる。
海中道路をサイクリングする魅力は、なんといってもこの爽快さと海への近さだ。
平安座海中大橋
平安座海中大橋に到着。ここは船舶航行のための橋。この橋を含めて海中道路はあやはしとも呼ばれている。「あやはし」とは「美しい橋」を意味する沖縄の言葉。そう、海中道路は「橋」なのだ。
海中道路の中央には「海の駅あやはし館」があり、クルマを駐車できる。海中道路ビーチなどもありマリンレジャーを楽しむこともできる。下図は「くじらのしっぽ」という場所。
平安座島
平安座島に上陸したところにあったローソン与那城海中道路前店で休憩を入れた。
海中道路はこのローソンと橋詰広場のところまで。ここからは県道10号伊計平良川線を進んで宮城島まで行ってみること。途中、海に向かって鳥居が立っている場所があった。
竜宮門
なんと竜宮門というらしい。浦島太郎の伝説と関係しているのだろうか。沖縄から奄美にかけて伝わる「ニライカナイ」が浦島太郎の童話の原点との説もあるようだ。
設置された看板には次の記載があった。
ニライカナイ ー 海の東のはるか向こうや、又は海底にあるとされている理想郷のことを指しています。しかしそれは地球上にあるのではなく、人間の辿りつけない海や地の底など、異世界に存在すると考えられています。
ニライカナイからは毎年、神様が沖縄に来訪し沖縄の人々の生活にさまざまな恩恵を与えてくれると言われ、とても神聖なものだと言われています。
そのために浜で神様を迎える儀式や、お面を使い神様の来訪の様子を再現する儀式が沖縄の各地で発達しています。
ニライカナイに神様を送り迎えする亀とそれを見守る亀。宮城に浦島太郎を送り迎えする親子亀など諸説色々です。
正面に鎮座する岩礁島は国土地理院では無名島ですが現地ではナンザ島と呼ばれ旧暦の3月にサングァチャーと呼ばれる豊漁、家内安全の祈願神事が行われる岩礁島です。
この位置から見るナンザ島は亀の形に見えることから愛好者からは「かめ島」と呼ばれ親しまれています。シマノ方向が東の方位に当たることから元日のご来光を見ることも出来、縁起の良い場所として人気があります。
石油会社が作った海中道路
再び走り出し、平安座島の西端まで来ると意外なものが出迎えてくれた。石油コンビナートだ。
海中道路の歴史に深く関わっているのが、この沖縄石油基地。
もともと道路ができる以前の沖縄本島と平安座島の交通手段は、干潮時に浅瀬を歩いて渡るか、満潮時に利用する渡し船だったそうだ。
しかし歩いて渡る人に犠牲者が出たこともあり、平安座島の住民は、自らの力で海中道路の基礎工事を始めた。そして一人ひとりが石を運び、積み上げるという地道な作業を続け、全長210メートルのコンクリート製の海中道路を建設した。
その後、1970年にアメリカの石油会社・ガルフ石油が平安座島に進出することになり、この時に建設されたのが沖縄石油基地。ガルフ社は石油タンクが並ぶ臨海工業地帯と化した平安座島の島民に対する見返り事業と、沖縄本島までのパイプライン敷設のために、ガルフ社の負担で海中道路を建設することになったと。
つまり、海中道路を作ったのは地元の住民とアメリカの石油会社だったのだ。
宮城島
小さな橋を渡り宮城島に上陸。「食堂」や「cafe」の看板があったので寄ってみたが週末営業なので開いてなかった。
ぬちまーすと果報バンタ
県道10号伊計平良川線は宮城島の西側を通っている。島の中腹まで坂を上っていくと製塩工場が見えた。前回はスルーしてしまったので今回は立ち寄ってみることに。
製塩工場の敷地の奥には、果報バンタという絶景ポイントもあったので先に見学。
果報バンタは「幸せ岬」を沖縄の言葉にしたものらしい。
※上図にはじてんしゃが写っていますが、果報バンタは車両の乗り入れができない場所です。私は撮影の為だけにじてんしゃを担いで持ち込み、担いで持ち出しました。
製塩工場も見学させてもらった。
ウクノ浜
製塩工場の少し先にあるウクノ浜にも寄ってみた。
ウクノ浜は天然の浜ということで美しい景色を見ることが出来ました。
海中道路 復路
ウクノ浜で折り返し、再び海中道路を走って復路に就いた。
空模様が怪しくなってきたので「海の駅 あやはし館」には寄らなかった。段々と風が強くなっていったが無事、与那城総合公園に戻れた。
勝連城跡と道の駅かでな
読谷村に戻る前に、クルマで世界遺産の勝連城に寄ってみた。曲線を描く城壁は、美しく精巧だった。
勝連城跡の一番高い場所から海中道路が見渡せた。橋の左に見えるのが平安座島、右に見えるのが浜比嘉島。
遅いランチは、道の駅かで沖縄そば。今回は肉野菜そばをいただいた。塩っぱめだが走った後にはちょうどいい。
海中道路を走リ終えて
今回の沖縄ちゅら道ポタリングでは、勝連半島から平安座島を結ぶ5.2 kmの海中道路を走ってみた。
海の上にほぼ一直線に伸びた橋の上を走る海中道路は、四方が海にで囲まれた爽快な道路。通常の橋より高さが低いので、サイクリング目線だと海面がすぐ近くに見えるのが魅力だ。
海中道路は距離は短いが、往復するだけでも十分にちゅら道を楽しめる。また、海中道路の先には平安座島と宮城島、浜比嘉島、伊計島があるので脚を伸ばせば島巡りのグランドツーリングもできる。
青い空がひろがる夏季がきれいだが、暑さが厳しいので春秋に走るのがおすすめだ。
ポタリング後はピザパーティー
読谷村に戻ってシャワーを浴びた後は、知り合い家族とピザパーティー。こちらのおすすめは画像にはないが、「究極のブロッコリー」だ。ピザはボルケーノが辛くてうまい。
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