夏になると訪れたくなる信州・鬼無里地区。今年も走ってきました。気になっていた小川村にも立ち寄った。
1日目は長野駅から信濃大町へ
今年も休暇を利用して北信・中信地方を訪れた。1日目は長野まで新幹線で輪行し、JR長野駅から鬼無里地区や小川村、青鬼地区などの山村を巡り白馬まで走った。2日目は松本から木崎湖周辺を走った。3日目は松本から諏訪湖へと南下した。3日間とも晴天となり夏の信州を自転車で走って満喫した。
長野駅から信濃大町のルート
小川村
長野駅からは犀川にそって国道19号線を西に向かって走りだした。
20kmほど進むと小川村の端にある道の駅に着いた。村役場を過ぎ、落合のあたりから進路を北にとり、山へ入っていく予定だったが、通行止めの看板があり停車。
行こうか、別のルートを探そうかと迷っていると、付近の家の人が親切にも声をかけてくれた。「自転車なら通れるけど、何もそんなに細くてひどい坂道を行かなくても、あっちから行けば道は広いし、なだらかだよ」と。
素直にそのアドバイスに従ってルートを変更。細くて険しいより広くてなだらかがいいに決まっている(笑
教えてもらった道は、県道36号線で人家も多く、小川村の主要な道路のようだ。途中にアルプス展望広場などがあったが、生憎の天気でアルプスを頂いた小川村の景色は見られなかった。
なだらかといっても、落合からピークの天文台までは標高差500m、上り勾配は6%で楽ではない。
標高が上がるとポツポツと雨が降り出した。ウェアが濡れるのが嫌だから雨具を着るが、蒸れて不快だったので脱いだり着たりを繰り返した。500mの標高差を克服していくと、やがてピークの天文台に着いた。
道の駅でもらった「小川村マップ」に書かれたビューポイントあたりで写真をとってみるが、雨雲しか写らなかった。。
鬼無里地区
小川村のピークを越え山の北側に落ちると、天候が回復してきた。つづら折りの峠道を下っていると、木々の間から鬼無里地区が見えた。
ほどなくすると鬼無里地区の中心に到着。ちょうどお腹が空いたころだったので助かった。そば処・鬼無里でお蕎麦をいただく
いろは堂にも寄っておやきを補給。鬼無里地区を再び走りだす。雲間から太陽も出てようやく夏のツーリングっぽくなってきた。 [
嶺方峠
鬼無里地区はフラット(2%くらいの上り)なので、景色を楽しみながらのんびりと走れる。が、地区の西端から徐々に勾配がきつくなる。このルートのハイライト、嶺方峠(白沢峠)への上り道だ。
嶺方峠(白沢峠)は、白沢トンネルを過ぎると、というかトンネルの中からその姿を現す。
この峠で特筆すべきなのは、白馬側の大迫力の北アルプスの眺めだろう。しかしながら、その姿は見たことがない(今回で3度めの訪問なのだが)。いつも夏の午後に来るので雲が山にかかってしまっているのだ。
標高1,090mの嶺方峠は爽やかに晴れていた。峠に吹き上がってくる風が気持ちよかったのでしばらく滞在したほどだ。嶺方峠を下ると白馬に着く。今回はちょっと足を伸ばして山村集落の「青鬼」地区を訪ねた。
青鬼集落
青鬼集落は、白馬村の北東端の標高約760mの山腹に位置し、山懐に抱かれ、ひっそりと落ち着いた場所だ。集落の人家は重要伝統的建造物に指定され保存されている。人が住んで暮らしている場所でもあるので、そっとお邪魔させてもらった。
14戸あるという伝統的な家屋は、現在も住居として使われているらしいが、かつての茅葺き屋根は、鉄板に覆われたやや無機質な建造物となっていた。美しい棚田が印象的な場所だった。この日は、白馬から松本へ輪行して投宿した。
2日目は木崎湖へ
2日目は、峠道を上って行くと湖を見下ろすことができる場所があるという木崎湖へ向かった。この日は気温が低く無風で、まさに自転車日和。クルマの多い国道は走りたくなかったので、Garminのマップを見ながらローカルな道を縫って走った。
穂高(ほだか)とか安曇追分、信濃大町など信州らしい地名の街を通過していく。道路の側溝や用水路には絶え間なく冷たそうな水が流れていて、ここがアルプスの山の麓だということに気づく。
途中の信濃大町に珍しい地名の場所があった。それは、「猫鼻」。このあたりは昔、水害が多かった地域だったらしく、いろんな言い伝えがあり「猫鼻」もそのひとつのようだ。男清水(おとこみず)女清水(おんなみず)」の話なんていうのもあるらしい。詳しくはこちら
鹿島川に沿った静かな道を進むと、木崎湖を望む小熊山へのピークへの上り道が始まる。最初は緩い勾配だったが、そのうち勾配がきつくなり全身汗だくになってしまった。しかし、ピークにたどり着くと、涼しい風が吹いていて、とても気持ち良かった。木崎湖を見下ろす小熊山の高原だ。
しばらく高原で休憩し、木崎湖側へ下るとキャンプ場があった。木崎湖キャンプ場だ。来年はここにテントを張って拠点にしてもよいか。近くには温泉もあった。ロケハンがてら入ってみると気持ちのよいお湯だった。湯から上がり、松本に戻るために再び走りだすと涼しい追い風が吹いていた。あまりにも気持ちよくて途中で眠りそうになった(笑
3日目は松本から塩尻湖へ
3日目は、松本を出発し塩尻峠を越えて諏訪湖を目指す。クルマの少ない道を選びながら市街地をクニャクニャと走っていると、やがて塩尻町に着いた。
JR塩尻駅で中山道に合流。柿沢地区の沿道には旧家がたくさん残っていて、立派な建物は風格があり美しい。建物は本棟造りと呼ばれる江戸時代の上級の民家だけに許された、特権的な形式なのだそうだ。建物の屋根には「雀おどり」と呼ばれる飾りが付いていてカッコ良い(画像はなし)。
しばらく進むと旧中仙道への入り口を見つけたので進んでみる。東海道もそうなのだが、旧道には楽しい発見が待っているからだ!
坂道を上がっていくと、その昔、大名・旅人たちが小休所したという茶屋本陣があった(画像なし)。そして、その先に、、、激坂が待っていました(笑
塩尻峠手前の超激坂。多分忘れないと思う(笑
旧中仙道の塩尻峠は、幾つもの道が交わった広々とした場所だった。何となくここで旅を終えた気分となった。このあとは、クルマが多い国道を走るからだ。峠を下って旅の終着地、塩尻湖ヘ向かう。
塩尻湖の湖畔をひとしきり走り、上諏訪で自転車を降りた。「真澄」の銘柄で有名な日本酒の蔵元、宮坂醸造の店舗である「みそ茶屋 千の水」で昼ごはんを食べた。宮坂醸造は、あの「神州一味噌」をつくる醸造元でもあったのだ。その後は、片倉館の千人風呂で汗を流し、中央本線・上諏訪駅から輪行して帰路についた。
2015年夏の信州を満喫するツーリングだった。
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