長らく使用していたシクロクロスバイクIndependent Fabrication Planet Xが老朽化したため、新たなバイクに乗り替えることにした。今度の相棒はLOOKのグラベルバイク765 Gravel RSだ(2024/7/20)
目次
購入経緯
2009年と2010年にスイスを旅行した後に「アスファルトとダートの両方の道を走れるバイクが欲しい」と思い、2012年にIndependent Fabrication Planet X(以下IF)を購入した。
シクロクロスバイクのIFは、荒れた林道や雪道など自然の匂いを感じる場所を走れ、私にじてんしゃの楽しみを広げてくれた。しかし、ブレーキ台座に不具合が生じ乗り続けるのに支障が出てきた。
最近、シクロクロスバイクに変わってよく聞くのがグラベルロードバイク。グラベル(gravel)とは砂利を意味し、グラベルロードバイクも砂利道やオフロードを走れるロードバイクの一種。レースに参加しない私はこのグラベルロードバイクを購入することにした。
換装したばかりのカンパニョーロコーラス12速を流用したかったのでフレームセットで探していた折、LOOK 765 Gravel RSに出会った。フレームセットで1,590gというまあまあ軽めの重量が決め手。
LOOK 765 Gravel RSフレームセット
フレームを購入する際に一番悩んだのが、サイズ。渋谷区神宮にあるプロショップでRetül(リトゥール)によるフィッティングをしてもらったが、私の身体に合うのは「SとMの間」だった。とりあえず展示バイクの765 Optimum Sで私のサイズに仮組みしてもらったが、イマイチしっくりこない。
「Mサイズを取り寄せて仮に組んで見てみますか」という店長のお言葉に甘えて、1週間待ってみることに。
そして仮組みされた765 Gravel RSを見て、Mサイズに決めた。
LOOK 765はトップチューブとダウンチューブのボリューム感があるバイクだが、太いタイヤとのバランスは良かった。
フレームセットのスペックは下図のとおり。
765 グラベル RS DISC | |
---|---|
カラー | クロマティックペトロールマット |
フレームサイズ | M |
カーボンタイプ | HM、iM、HR、フラックス |
BB | BB386 |
シートポスト径 | 27.2 ㎜ |
FD | 直付 |
重量 | 1,590g(M サイズ フレーム1,200g+ フォーク390g) |
ディスクブレーキ規格 | ローター径 F160㎜ R140㎜ |
スルーアクスル規格 | F12X100 R12X142 MAVIC スピードリリース |
ショップで実測してもらったが、フレームセット1,670g(フレーム1,220g、フォーク450g)だった。おそらくコラムをカットすればメーカー公表値に近づくのだろう。
グラベル専用カーボンレイアップ
LOOKのDNAと言えばカーボン。ここからは、LOOK公式サイトの情報を引用しながら765 GRAVEL RSの特徴を紹介する。
公式サイトには次のような説明が記載されている。
カーボンを扱ってきた経験を生かし、765 GRAVEL RSのためだけに独自のレイアップを開発。繊維配向を最適化し、35%HM、40%IM、10%HR、15%比重のカーボンを組み合わせることで、乗り心地を維持しながらペダリング性能を最大化することができた。
ジオメトリー
ジオメトリーは下図のとおり。SとMの間が欲しかった(笑)
XS | S | M | L | XL | |
---|---|---|---|---|---|
Stack | 530 | 554 | 578 | 602 | 626 |
Reach | 335 | 365 | 375 | 385 | 395 |
I – Head tube (°) | 70.3 | 70.3 | 70.3 | 70.3 | 70.3 |
J – Seat tube (°) | 74 | 74 | 73 | 73 | 73 |
A – Seat tube | 470 | 490 | 510 | 535 | 560 |
B – Top Tube horizontal | 507 | 524 | 552 | 569 | 586.5 |
C – Front Center | 577 | 595.5 | 614 | 632.5 | 651 |
D – Trail | 72 | 72 | 72 | 72 | 72 |
F – Fork offset | 50 | 50 | 50 | 50 | 50 |
G – Chainstays | 420 | 420 | 420 | 420 | 420 |
K – Head tube | 111.5 | 137 | 162.5 | 188 | 213.5 |
L – Fork | 395 | 395 | 395 | 395 | 395 |
HAV | 70 | 70 | 70 | 70 | 70 |
Standover | 745 | 765 | 793 | 816 | 843 |
タイヤクリアランス
700c x 40mm または 650c x 54mm タイヤを装着できるのクリアランスがある。下図は35cのタイヤだがまだまだ余裕がある。
マウント
マウントについても「冒険の準備」という見出しで公式サイトに次の記載がある。
フレームには最大4本のウォーターボトル(メイントライアングル内側に3本、ダウンチューブ下側に1本)と、トップチューブのベントスタイル・ボックスをマウントできる。複数のウォーターボトルマウントにより、ライダーは最適なセットアップを行うことができる。
3Dステイのデザイン
ステイについても次のような説明が記載されている。
ステーは、カーボンの自然なコンプライアンスを15%高めることを可能にする2つのたわみポイントを持つように設計されている。さらに、チューブを扁平にすることで、横方向の剛性を高めながら、縦方向の動きを向上させている。このユニークな形状のシートステーは、フレーム重量を増加させることなく、ラフな路面でのトラクションとコントロール性を高めながら衝撃を濾過する。
ダイレクトドライブコンセプト
ステムについては次のような記載があるが、日本に輸入されるモデルには適用されていない。
一体型ステムは、フレームの美しさを引き立てるとともに、軽量かつ高剛性に設計され、正確なバイクのハンドリングを実現する。DIRECT DRIVEコンセプトは、すべてのステアリング・コンポーネント(フォーク、ヘッドセット、ステム、ハンドルバー)の同時開発を可能にしている。これにより、コックピット内の剛性が見かけ上損なわれることがなく、高い安心感と性能を実現している。
プロショップを通じて、「一体型ステムを購入できないか」と日本の輸入代理店に問い合わせたが、「在庫がないので輸入に半年を有する」との返答だった。また一体型ステムの形状に合わせたスペーサーも取り寄せが必要で価格未定とのことだったので諦めた。
そもそもこのLOOK DESIGN stemは210gもある重量級のステムなので諦めて正解だろう。フレームの美しさを引き立てるためにバイクを100gも重くする必要はない。
構成パーツ
機械式ディスクブレーキEQUAL
私の場合、ディスクブレーキ移行への障害だったのが「油圧」。不慣れな部品であると同時に「重量増」が気になっていた。
そんな折、渋谷区神宮のプロショップで耳寄りな情報を得た。
油圧ディスクブレーキは輪行には向いてないでしょうか?逆さにすると調整が必要になる聞きました。
ブレーキレバーを握った状態でハンドルと固定するなどのひと手間があれば基本大丈夫です。ただ油圧が心配であれば、機械式ディスクブレーキのEQUALという選択肢もありますよ。私も使ってますが、よく効くし気に入ってます。
なるほど!機械式ディスクブレーキなら不安材料が減るかもしれません。
記事:【EQUAL】 ワイヤー式ディスクブレーキ まずはインプレ!
EQUALの重量は136g(ブレーキパッド含、フラットマウント)。シマノのデュラエースやアルテグラのキャリパーが110g〜124g、カンパニョーロが115g〜123gなので同等の軽さ。
何より油圧式のコントロールレバーを使わなくて良いのでバイクを軽くできるし、ワイヤーで引くのでメンテナンス性も良さそうだ。
ということで、この機械式ディスクブレーキとの出会いが、ディスクブレーキ移行への敷居を下げてくれたのでした。
GROWTAC EQUAL | |
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対応マウント | フラットマウント |
重量 | 136g |
付属品 | 機械式ディスクブレーキキャリパー用ケーブルセット、フラットマウント用アダプター(フロント)、フラットマウント用取付けボルト(リア) |
ホイール
ホイールはSpecializedのRoval Terra CLをチョイス。色々と候補はあったが、価格と重量(軽さ)のバランスで選んだ。思い切ってRoval Terra CLXを、とも思ったがメーカーに在庫がなかった(無くてよかった)。
Specialized Roval Terra CL | |
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リム | Terra CLXカーボンクリンチャー、700c、ディスクブレーキ、ビートフック、チューブレスレディ仕様 |
リムハイト | 32mm、外幅30mm、内幅25mm、ERD 577mm |
ハブ | DT Swiss 350 ストレートプル センターロック、スターラチェット 歯数36t(10°)、100x12mmと142x12mm |
ベアリングタイプ | DT Swissシールドカートリッジベアリング |
スポーク | DT Swiss Competition Raceストレートプル、フロント:2クロス(1:1) 24本、287mm(R)/286mm(L)、リア:2クロス(1:1)24本 284mm(DS)/287mm(NDS) |
ニップル | DT Swiss Hex Prolock Al 2.0×14mm |
タイヤサイズ | 28mm – 47mm、最大空気圧: 80psi( 28c-32c )、65psi( 33c-36c )、 60psi( 37c-47c ) |
重量 | ホイールセット1,408g、 フロント: 654g、リア:754g(チューブレスリムテープとバルブを含む) |
タイヤ
タイヤはHUTCHINSON OVERIDEの35cをチョイス。こちらも数ある候補の中から価格と重量(軽さ)で選んだ。グラベル用途のタイヤだが、通常のロードからグラベルに至るまでさまざまな路面に対応する。375g/1個の重量が乗り心地の良さとなるか、重くて足かせになるかはこれから乗って確かめようと思う。
Hutchinson OVERIDE | |
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補強材 | ハードスキン |
コンパウンド | ダブルコンパウンド |
幅 | 35mm |
重量 | 375g |
タイプ | TLR |
ステアリング
ハンドルバーはスペシャライズドのRoval Terraをチョイス。高弾性カーボンファイバーを最先端の技術で組み合わせ軽量かつ安定した乗り心地を実現しているという。
Specialized Roval Terra Handlebars | |
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フレア | 12度 |
ベント | ドロップ103mm × リーチ70mm |
重量 | 210g(420mm) |
ステム
上述したが、ステムはLOOK専用ステムではなくスペシャライズドのRoval Alpinist Stemをチョイス。アルピニストの名が付くこの製品は、軽さを重視し作られている。
Specialized Roval Alpinist Stem | |
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本体 | 3D鍛造、CNC加工、7075アルミ合金 |
ボルト | チタン |
クランプ部直径: | 31.8mm |
サイズ | 100mm |
サドル&シートポスト
サドルはフィジークテンポ アリアンテR1。私がサドル探しの長い旅を経て入手したサドルとなる。
Fizik Tempo Aliante R1 | |
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サイズ | サドル長:277mm サドル幅:155mm |
重量 | 186g |
シートポストはスペシャライズドのRoval Alpinist Seatpost。アドバンスド・カーボン・コンポジットが軽量性と信頼性を可能にしてるとのこと。
Specialized Roval Alpinist Seatpost | |
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サイズ | 27.2mm x 360mmx12mmオフセット |
重量 | 136g(27.2mmx300mm) |
構成パーツ一覧
メーカー | 品名 | 規格 | 重量 |
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LOOK | 765 GRAVEL RS DISC | フレームセット(Mサイズ) ※フレーム1220g+フォーク450g | 1670g ※フレーム1220g+フォーク450g(コラムカット前) |
CAMPAGNOLO | CHORUS CRANKSET | 12-speed 48 x 32T | 728g |
CHORUS FRONT DERAILLEUR | 12-speed | 87g | |
CHORUS REAR DERAILLEUR | 12-speed | 220g | |
CHORUS ERGOPOWER CONTROLS | 12-speed | 362g | |
03 ROTOR | 140mm | 99g x 2 | |
SUPER RECORD CASSETTE | 12-speed 11-34T | ||
SUPER RECORD CHAIN | 12-speed C-LINK | 228g | |
ULTRA-TORQUE CUPS | Press Fit BB386 (86,5 x 46) | 40g | |
GROWTAC | EQUAL | 機械式ディスクキャリパー(フラットマウント) | 136g |
SPECIALISED | Roval Terra CL Wheelset | 700C CL/TLR | 1,408g |
Roval Terra Handlebars | 420mm | 210g | |
Roval Alpinist Seatpost | 27.2mm x 360mmx12mmオフセット | 136g | |
Roval Alpinist Stem | 31.8mm x 100mm | 110g | |
HUTCHINSON | OVERIDE | 700 x 35c TLR | 375g x 2 |
重量
バイクの総重量はペダル有りで8.04kgだった。コンポとホイールに軽量化の余地が残っているが、お財布には優しくないので、しばらくはこの構成で楽しむことにする。
ペダル有り/無し | 重量 |
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ペダル有り(TIMEATAC XC8 288g) | 8.04kg |
ペダル無し | 7.75kg |
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