小径車BD-1でスペイン・アンダルシア地方を走った模様を紹介するシリーズ記事「BD-1とアンダルシアに行く」。本記事(7)は、早朝のセビリアを走った時の記録
レンタルバイクとセビリア・メトロ
アンダルシア州の州都であるセビリアに着いた。到着した日に街中を移動しているとおもしろい自転車を発見した。
パリのヴェリブに似ているので、おそらくシェアサイクルだと思う。利用者も多く見かけた。
セビリアの中心地では自動車道を撤廃して、交通機関として路面電車の利用を試みているようだ。
試運転中で乗車はできなかったが、自家用車に頼らない交通網の整備はとても良いことだと思う。
自転車はどこを走ればよいかというと、どうやら線路の両側のようだ(たぶん)。
早朝のセビリアをBD-1で走る
翌日、早朝5時に起床してセビリアの街をBD-1で走ってみた。
まずは、パルメラ通りで、市内中心部に向かった。段差が少なく、歩道と色分けして分離された自転車専用道が整備されていてとても走りやすかった。
セビリアのランドマークであるカテドラル(大聖堂)に着くと、朝の5時だというのにたくさんの人が歩いていた。ほとんどが若い人で、(金曜の夜ということもあり)お酒を飲んでいる人が多かったようだ。
動画(240p)
コンパクトデジタルカメラで動画も撮影した。ただし240pの低画質映像。
セビリアで追われる!?
「スペインは犯罪が多いところなので、行動には気をつけてくださいね」
現地の 人にそう言われていた。
暗いうちの外出は危ないだろうけど、自転車だったら大丈夫なんじゃないか。でもそれは間違いであると、このあと思い知らされる。
私はカテドラルを見たあと、細い一方通行の細い路地を走っているうちにアルカサル(宮殿)の北側に広がるユダヤ人街に迷い込んでしまった。
道に迷ってしまったが、クルマも通る一方通行道路なので引き返すわけにもいかず前進を続けてると、段々と寂しい場所に入りいこんでいく。
旧市街の入り組んだ道は、昔、キリスト教徒に攻め入られたイスラム教の人たちが馬車が入ってこれないよう、狭くて迷いやすい道を作ったそうところなのだとか。
先へ進めば進むほど、どこにいるのかわからなくなる。とうとう誰もいない静かな場所に迷い込んでしまった。
さすがに危険を感じて、引き返すことを考えたが迷路のように入り組んだ細い道は、すでに自分の方向感覚を奪っていた。
なんとか車道に出ることができても、クルマ一台がやっと走れる一方通行道路。前進するか、逆走して迷路に戻るしかない。なかなか明るい大通りに出ることが出来ず、時間だけが過ぎていく。
それでも前進を続けていると、狭い路地に座り込んでタバコを吸っている、暇そうな4〜5人の男達と出くわした。
男達の前を通過するあいだ、私と男たちとの間に緊張した空気が流れた。
そして、通過し終わった頃ひとりの男が、何かひらめいた感じで仲間と視線を合わせた。
こちらも「ヤバイ」と反応し、ペダルを強く踏み出す。
振り返ると2〜3人が走り出したのが視界に入った。全速力でペダルを漕ぎひたすら走った。クルマが来ないことを願いながら一方通行の道路も逆走した。
しばらくするとレカレード通りに出た。男達はもう追いかけてこなかった。
男たちはなんで追いかけてきたんだろう?
道に迷った私に道を教えてくれようとしたのか。
気持ちを落ち着かせ、現在地を地図で確認して、大通りを走ってホテルに戻った。
「外国で人通りのない暗い夜道には行くな」ということを身をもって学習した。
ホテルの部屋に戻ると、のどがカラカラに乾いていた。
走行距離:13km
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