久しぶりに林道ツーリングに出かけた。K氏と房総の林道を探索してみよう、ということになり、以前K氏の友人が教えてくれたルートを走ってみることになった。大福山の変化に富んだ地形と養老渓谷の里山の新緑を楽しんだ日帰りツーリングとなった。
アクセス
4月のある土曜日、早朝の山手線で輪行して千葉に向かう。品川で総武線に乗り換え、千葉でK氏にクルマでピックアップしてもらい、高滝湖近くまでクルマで移動、駐車場にクルマをデポ。電車輪行+クルマ輪行で快適に移動。
大福山へ
午前9時、高滝湖を出発し、清澄養老ラインを南下。月崎を過ぎ、上総大久保のあたりから林道に入っていく。
最初は大福山への上り坂。15%以上の坂道が続く。標高250mの大福山ピークにはほどなくすると着く。東屋がありやや眺望が開ける。立て看板には、自然環境保全地域という案内板があった。やや下ると分かれ道に出る。
【大福山北部自然環境保全地域】 スダジイ・アカガシなどの常緑広葉樹とコナラ等の落葉広葉樹の混交した自然性の高い樹林が形成されている。
林道大福山線
上総大久保のあたりから始まった急な上りと下り坂は林道大福山線だったようだ。標識が出ていて終点と表示されていた。分かれ道を下る。
今度は「林道 坂 畑線」だ。ここで無線機を持った立哨警備員に声をかけられる。「クルマが下ってくるので気をつけてください」と。どうやらこの先に採石場かなにか何かあるらしく、ダンプカーが下ってきた。
でも、すぐに我々は脇道に逸れることになる。ガーミンに入れてきたルートが、落ち葉のダート道を進路に示している。ここからシングルトラックの旅の始まりだった。しかし、その細い落ち葉の道を進んで行くと、そこには悲しい現実が待っていた。
落ち葉をタイヤがカサカサと音を立てながら進むと、異臭が漂ってきた。やがて目の前が開け、広大な土地が現れる。そこは産業廃棄物の最終処分場。自然環境保全地域を走っていたつもりだったのに、いきなり現れた巨大な施設に最初は驚いたが、いつまでも漂う異臭にやがて気分が沈んでいった。どこかに無ければいけない施設なのだろうけど、この自然豊かな房総半島のど真ん中に作らなくてもいいのにと。ちなみに施設は「君津環境整備センター」と言うようだ。
国土地理院のマップ
今回、K氏がiPhoneに国土地理院のマップを入れてきてくれ、これが大いに役立った。山の中では、サイクルコンピュータやスマホのマップで道が正しく表示されるとは限らない。もし道に迷ったり、分かれ道でどちらに行ったら良いかわからなくなった時には、この国土地理院のマップが頼りになる。iPhoneに切り出した詳細地図を入れておけば、アプリで現在地をGPS機能で知ることができるのだ。便利になったものだ。
シングルトラックの道は続く。途中、何度も手掘りのトンネルが現れる。
手掘りのトンネルは、よく観察すると、壁と天井が違う地質となっている。なんと、壁は砂の堆積物で出来ているため、指でこすると削れてしまうほど脆いのだ。通行して大丈夫なのか心配になる。
常緑広葉樹と落葉広葉樹で形成された林は、鬱蒼としているのでほとんど眺望がない。所々、このように抜けの良い所が現れるが多くはない。
抜けがいいところに出る[/caption]
また、あやしいトンネル。
処分場から離れてしまえば、自然環境が保全された地域となる。
林道と林道をつないで走る。同じような風景が度々現れる。もし、GPSナビがなければとっくに迷子になっているところだ(笑
広いダブルトラックもある。
里山を走ったり
奇妙なデザインのトンネルをくぐったり
また、里山を走ったり
またまた、ワイルドなトンネルをくぐったりする旅が続く。
落車
大福山周辺のシングルトラックの道は、幅の狭い稜線や、崖に落ちそうな箇所が何度もあり、緊張が続いた。里山のアスファルトの道に出ると緊張もほぐれ気が緩んだのか、コーナーを曲がるときに、突然落車してしまった。枝にハンドルを取られたらしい。帰るまでが遠足。自転車に乗っている時は、気を緩めてはいけないということを再認識(笑
滑落
再びシングルトラックの道へ入っていく。どう見ても道があるとは思えないが、GPSナビが指し示す方向へ進む。
最初は走れたものの、自転車を担いで歩く区間が長くなっていった。道は基本的に乾いているところが多かったが、粘土質がむき出しになっている箇所があった。
注意深く進んで行くが、木の根を山側の足で踏んでしまいと自転車を抱えたまま、斜面を50センチぐらい滑り落ちてしまう。
前を行くK氏が驚いて、「じっとしていてください!今助けに行きますから!!」と言って、引き上げてくれた。自分では50センチ位落ちたつもりだったが、滑った痕跡を見るとゆうに1メートルを超えていた。危ない危ない(笑
自転車を担いだ区間は、ルートをロストしていたらしく、反転して戻ると、ヤブに隠れたルートが見つかった。
この先は、本当に楽しい区間だった。
落ち葉が重なった稜線を上り降りし、倒木のトラップを乗り越え、小枝をポキポキ折りながら走るシングルトラック。
走ることに集中してるから他のことを何にも考えない。走り終わったあとに残るのは「楽しかったなぁ」という気持ちだけ。ストレス発散には持って来いだ。
最後は、川のようになった泥だらけの道を下った。自転車もシューズもグズグズなったが、気分はスッキリ。
里に出ると、なんとそこは養老渓谷でした。小湊鐵道の養老渓谷駅に、屋台の飲食店が出ていたので猪汁などを補給。高滝湖まで戻りライドは終了。
落車や滑落はありましたが、幸い大事にはならず、楽しいライドとなりました。山蛭の餌食にならなかったのも幸運だったかも。春の養老渓谷・大福山周辺の林道ツーリングでした。今度は冬に訪れたい。
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