スイス 鉄道と自転車の旅 Day4:(2)マッターホルンの麓ツェルマットへ

総移動距離1,400km。2010年にスイスを自転車と鉄道で旅をしました。Day4は、ルガーノからツェルマットまで鉄道、自転車を組み合わせて200kmを移動。(2)は、ニーデルワルトからツェルマットまでの記録(2010/10/05)






ムービー【スイス 鉄道と自転車の旅】DAY4:その2 いよいよツェルマット


氷河特急ラインでツェルマットへ

10月5日(火)・oberwald~Brig~Zermatt・天気/曇り~時々晴れ 15℃(オーバーワルド)~8℃(Zermatt)

ブリークでマッターホルン・ゴッタルド鉄道に乗り換え

今日この後は、この日の最終目的地、ツェルマットへ向かうだけだ。ニーデルワルトで15時41分の電車に乗り込み、途中ブリークで乗り換え、ツェルマットには18時過ぎに着く。

ブリーク – フィスプ

氷河急行は、サン・モリッツからツェルマットまでの290kmを8時間かけて走る、世界一遅い急行として有名だ。サン・モリッツからディセンティスまではレイティッシュ鉄道が運行。そこで峠を越えるためにラックレールを備えた機関車に切り替える。ディセンティスからツェルマットまでは、マッターホルン・ゴッタルド鉄道の運行となる。

マッターホルン・ゴッタルド鉄道

我々の乗ったブリークまでの電車は、残念ながら氷河特急のパノラマカーではなかったが、ゆっくりと、氷河特急と同じスピードで進んでいった。

16時36分 ブリーク駅で乗り換え

乗換駅のブリーク駅には17時前に着いた。ここでツェルマット行きの電車に乗り換えた。

ブリーク駅で輪行

ブリーク駅からは自転車を輪行。フィスプ駅から左へ折れ、線路はフィスパ川に沿って、深いマッタータル峡谷を登っていく。

試しに手持ちの斜度計で計ってみたら、6%を超える傾斜も進んでいく。比較することもないのだが、我々でさえ登るのに苦労する傾斜を、数百トンにもなるだろう電車がぐいぐいと走っていくのだから、スイスの鉄道魂には恐れ入る。

2010年のサッカー・ワールドカップで日本代表がキャンプを張ったサースフェーへの分岐駅となるスタルデンを過ぎると、川はマッター川となり、峡谷はさらに深くなる。雲は切れ、青空が広がり始めていた。

ツェルマットに着いたマッターホルン・ゴルナーグラード鉄道のマウント富士号

18時14分。ツェルマット到着。長い移動がやっと終わった。

マッターホルン・ゴルナーグラード鉄道のマウント富士号

満天の星に息を呑む

ツェルマット駅で、一昨日サン・モリッツから送っておいたスーツケースをピックアップした。

スイスでは「バゲージシステム」という、駅留めの荷物輸送システムがある。当日中に送りたい場合は、ファーストバゲージ(20スイスフラン)、中1日で送る場合はノーマルバゲージ(10スイスフラン)を使う。駅間や預け入れの時間によって、対応可能な範囲が違うが、我々のように身軽に旅をしたい旅行者にはとても便利なシステムだ。

ツェルマット駅に駅留めしておいた荷物をピックアップ

宿へ向かおう。ツェルマットのユースホステルは、駅から少し離れた高台にあるため、ツェルマット独特の電気自動車タクシーを使うことにした。ツェルマットでは環境保護のためガソリンエンジンの自動車は走れない。だから電気だ。

ツェルマットの電気自動車タクシーの屋根に載せられたBD-1

駅前に並んでいるタクシーに声をかけると、我々の荷物を見て2、3人のドライバーが集まってきた。何をするかと思ったら、バイクをタクシーの屋根の上に積み上げようとする。2台は積めるんだ、と言っていたが、なるほど、小さいクルマの有効活用だ。

ここで我々は二手に分かれ、shinnxはタクシーで自分のバイクとスーツケースを持って、先にユースホステルにチェックインし、commuterとtecchan、daikoooは、駅前のスーパーでミネラルウォーターや補給食を買ってから宿に向かうことにした。

谷あいの村は薄暗くなっていたが、見上げれば雲が切れ、空は夕焼けに染まっていた。

ユースホステルのディナー

ユースホステルは、課外授業らしい小学生の団体と家族連れで混んでいた。夕食の終わる時間にぎりぎりだったので、あわてて荷物を部屋に入れると、着替えもできずにレストランへと駆け込んだのだが、ジャージにレーパン姿の東洋人を見て、食後のゲームをしていた子供たちがクスクス笑っている。ふん、これがバイク乗りの正装だ・・・といっても分からないか。この日の夕食は、ポモドーロとバジルソースの、”例”のスパゲティだった。

食事を終え、我々はそれぞれ、昼間のライドで泥だらけになってしまったバイクを、中庭で洗い流した。その後は、汗をかいたバイクウエアの洗濯が待っていた。

交代で洗濯機と乾燥機を回していると、もう22時近かった。外のテーブルで一服していたtecchanが、ふと空を見上げた途端に、うわっと叫び声をあげた。そばにいたshinnxも見上げてみると、空は晴れ渡り、まさしく満点の星空だった。

天の川が見える。あれは何座だ、北極星があれ、と、tecchanが星や星座をつぎつぎに見つけている。よく知ってるものだなと感心してshinnxも探してみるが、東京の空ほど簡単には、その星や星座の形が見つからない。

なぜなら、どれがなに星やら分からないほど、輝く星の数が多すぎるのだ。

4日目の走行距離:約30km (累計140km)
4日目の鉄道移動距離:約70km (累計580km)


text:shinnx, photo:commuter

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

アーカイブ

Search

Proudly powered by WordPress