スイス 鉄道と自転車の旅 Day5:(1)マッターホルンの頂を3,000mから展望


総移動距離1,400km。2010年にスイスを自転車と鉄道で旅をしました。Day5の午前中はツェルマットからゴルナーグラードへ移動して、標高3,110mのマッターホルンを訪れハイキングをしました。午後は、ツェルマットからフィスプまで40kmのダウンヒルを楽しんだ。(1)は、マッターホルンのハイキング(2010/10/05)






ムービー【スイス 鉄道と自転車の旅】DAY5:その1 マッターホルンの頂へ


快晴の空の下、モルゲン・ロートが輝きだす

10月6日(水)・Zermatt~Gornergrat・天気/晴れ 6℃(ツエルマット)~2℃(ゴルナーグラート)

6時30分、ユースホステルを出発し、ゴルナーグラート鉄道のツェルマット駅へと歩く。7時10分始発の登山電車に乗り、標高3,110mにあるゴルナーグラート展望台へ行くためだ。
よく晴れた夜明け前の空の下、駅に向かう途中のマッター川にかかる橋の上から、マッターホルン(4,478m)の鋭い山頂部分がくっきりと見えていた。

駅の近くで朝食を買う。7時に券売所が開き、ゴルナーグラート行きのチケットを買った。

駅員に右側の車窓からマッターホルンが見られると聞き、車両の右側座席に乗り込んだ。この登山電車はスイスパスは使えないのだが、スイスパスを提示すると50%の割引が受けられる。

日の出の時刻を調べると7時38分だった。空に雲はない。展望台に到着するのは7時43分。モルゲンロートは見られるだろうか。

マッターホルンの朝焼けを、「モルゲン(朝)・ロート(赤)」という。

遠い地平線から太陽が昇り、4,000m以上のアルプスの山越しに、独立峰であるマッターホルンの山頂に最初の朝日が届くと、夜明けの薄紫の空をバックに、山頂が燃えるように赤く輝きだす。

それを見るために、ツェルマットを訪れた人々は早起きし、マッターホルンを見上げるのだ。

新田次郎著「アルプスの谷 アルプスの村」より引用(昭和39年/1964年7月・新潮社刊)
巨人は非の打ちどころがないほどに立派だった。冷酷な安定感の上に立つ美しさはあったが、女性的な美しさはどこにも発見できなかった。マッターホルンは石の巨人であって、山ではなかった。山で見出すあの親しみはついに湧いてはこなかった。


マッターホルンとハイキング

マッターホルンの朝焼けを時間を忘れて堪能した我々は、山全体に陽が当たりはじめてやっと、ハイキングをはじめようということになった。温度は4℃くらいまで上昇していた。

ゴルナーグラート駅前にハイキングルートのサインがあり、リッフェル湖の方向へ歩き始めた。マウンテンバイクコースを示すサインもあったが、ここからのダウンヒルは、我々では歯が立ちそうにない。

3,000mのハイキングルートを、昨日の足跡が凍っているところを避けて歩いた。まだ山陰になっているところでは、ガレ場の上に雪が残り、石の上を歩くよりも歩きやすかった。わざわざ日本から持ってきたビブラムソールのトレッキングシューズが、ここで活躍してくれた。

途中、イタリア、フランスとの国境になっているアルプス最高峰のモンテローザ(4,554m)やリスカム(4,527m)、ブライトホルン(4,164m)の連山を眺め、そこから流れ出す巨大なゴルナーグレッチャー氷河を覗き込みながら30分ほどのルートをリッフェル湖を目指した。

リッフェル湖はその湖面にマッターホルンを映しこむ湖で、絶好のビューポイントだった。我々よりも先に、カメラを三脚に据えてマッターホルンを狙っているカメラマンがいて、鏡のような湖面には、絵にかいたような「逆さマッターホルン」が見事に写っていた。

さて、このあたりで休憩しようと、リッフェル湖のすぐ下にある小さな湖の横で、ごそごそと荷物を取り出す。岩の上に広げたのは、ワンタンスープや味噌汁、カップ麺にお茶漬けという、この場にはおよそ似つかわしくないジャパニーズ・インスタント食品。これにcommuter持参の固形燃料ストーブとtecchanの保温ポットが登場し、ぽこぽことお湯が沸きだした。

冷たい空気の中で味わう温かな食べ物は、インスタントだろうが格別にうまい。マッターホルンを眺めながら、これ以上はない幸せな休憩をすごした。(なお、ゴミはすべて残らず持ち帰ったので、念のため)

この後我々はリッフェルベルグ駅まで歩き、約2時間のハイキングを楽しんでツェルマットの村へ下りた。ハイキングのあいだ中ずっと、マッターホルンは我々の視界の中にあった。

それにしてもこの日は、これ以上は望めないほどの天気だった。刷いたような雲が高くかかり、風もなく、日向にいるとぽかぽかと暖かい。昨日まで霧や雨に悩まされてきたことがうそのように、完璧なマッターホルンを望むことができた。

現地からマッターホルンの写真を添えてtwitterに流したところ、たくさんの方からコメントをいただいた。中でもナンバーワンは、hirosawa**氏からの一言だった。

「あほみたいな景色だな、こりゃ」 笑った。はい、そうとしか言いようがありません・・・。

5日目の鉄道移動距離:25km (累計605km)


text:shinnx, photo:commuter, tecchan, shinnx

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