スイス 鉄道と自転車の旅 Day5:(2)ツェルマットからフィスプまで40kmダウンヒル

総移動距離1,400km。2010年にスイスを自転車と鉄道で旅をしました。Day5の午前中はツェルマットからゴルナーグラードへ移動して、標高3,110mのマッターホルンを訪れハイキングをしました。午後は、ツェルマットからフィスプまで40kmのダウンヒルを楽しんだ。(2)は、フィスプまでダウンヒルした記録(2010/10/05)






ムービー【スイス 鉄道と自転車の旅】DAY5:その2 フィスプまでダウンヒル


こんな道、見逃すわけにはいかない

10月6日(水)・Zermatt~Gornergrat・天気/晴れ 15℃~20℃(ツェルマット、フィスプ)

マッターホルンを見て、ハイキングを終えた我々は再びツェルマットに戻った。時刻はまだ11時30分。

ツェルマットは古くからマッターホルン観光で開けた町だ。駅前の大きなロータリーには電気自動車タクシーが客待ちし、せまいメインストリートには、ホテル、レストラン、みやげ物やさまざまな商店が並んでいる。昼時の通りは、とても賑やかだった。その中に登山やハイキンング、スキーなどのスポーツ用品店が多いのは、ツェルマット観光の性格なのだろう。

そのメインストリートの中にあるハム屋の店頭で売っていた焼きソーセージを昼飯にして、我々はいったんユースホステルの部屋に戻った。今日はもうひとつ、やりたいことがある。

ツェルマットのユースホステル

フィスプまでのダウンヒルだ。急いでジャージとレーパンに着替え、ライドの準備完了。

ツェルマットには2泊するのだが、明日はツェルマットを出て、ローザンヌへのロングライドの予定がある。それならばこれから、昨日フィスプからツェルマットまでの長い上りの道を、ツェルマット側から下ろう。

直線など どこにもない

まるでジェットコースターのような道だった。平地のような緩い下りを走っていたかと思うと、急坂が現れてストンと50m、100mと落ちていく。文字通り、緩急の変化が面白い。サイクリングロードではないが、交通量も平日のせいか少なく、走りやすくて楽しい。女性も無理なく走れるだろうから、ぜひおすすめしたいルートだ。

景色もさまざまに変わる。岩山と黄葉の森とのコントラストを楽しみ、あちこちから流れ出る小さな滝を発見し、足元が震えるような眼下100mはあろうかという深い谷を覗き込み、小さな村を通り抜ける。

この狭い道沿いで牧場を見ることはなかったが、高い岩山の中腹から山頂にまで人家があるのをみると、山肌を縫うように登っているつづら折れの道の先に、夏には牧草地が広がっているのかもしれない。そんな風景を楽しみながら、ターシュ、ランダ、サンクト・ニコラスを駆け抜けた。

シュタルデンのあたりでひときわ長い下りのカーブを抜けると、フィスプへ向かって谷が開けてきた。正面には、これも4,000mはありそうな白い頂が見える。四方が山。ここは圧倒的な山岳地帯なのだと改めて思う。


2度目のハイキング(バイクと一緒に)

道が平坦になり、フィスプ川の水面も見えるようになってきたところで、commuterが車道の反対側を走るマウンテンバイクを発見した。サイクリングロードなら走ろうか、ということで先に進んでみたが、対岸に渡る橋がなかなか見当たらず、結局フィスプの駅前まで走りきってしまった。

daikooo、shinnx、tecchanが駅前にある橋の交差点に到着したが、commuterの姿がない。tecchanによれば、commuterはあれから少し引き返したところの橋を渡り、対岸を走っているという。そこでshinnxが余計なことを言い出した。ここから折り返して、ちょっと向こうの道を走ってみようか。そして3人は、シュタルデンまで一駅分の距離を折り返してみることにした。時間はまだ15時前だ。

小さな沼で休憩。補給するものは持っていない・・・

途中でcommuterと合流し、川沿いの小道を遡上した。木漏れ日のあふれる気持のいい道だ。小さな沼のほとりで休憩し、散歩する人と挨拶を交わしながら走った。

川に沿った気持ちの良い道

だが、4kmほど進んだところで道はダートになり、さらに進むとハイキングコースのサインが出てきてしまった。かろうじて目的地のシュタルデンへは通じているようだ。徒歩30分とある。commuterがさっき渡った橋まで戻るのも面倒だったので、そのまま進むことにしたのだが。

マウンテンバイクのコース88、という標識

ハイキングコースはハイキングをするためにある。進んだ先は、まさしく正しいハイキングコースだった。左下にはフィスプ川が流れ、右側はぶどう畑。その横を細い砂利道が続いていた。高度もいつの間にか上がっていた。

マウンテンバイカーと度々すれ違う
だんだん怪しくなってきた
黄色い標識はハイカー用

結局、ガードレールもない山道を汗だくになって、30分近くバイクを押し歩く羽目になった。


女の子が天使に見えた

往路で下ったシュタルデンの大きなカーブが見えてきたあたりで、ようやく村の端に入った。駅を聞こうとあたりを見渡すが、人がいない。さらに進むと学校があり、遊んでいた子供たちのグループに、駅はどこ?と聞いてみたところ、わあっと集まってきてくれたのはいいが、ああだこうだでよく分からない。

頭をひねっていると、その中の小さな女の子が、我々を案内してくれるという。少し戻った交差点で、This way. と言いながら、坂を下りて右に行けと大きな身振りで教えてくれた。8歳くらいのメガネをかけた女の子。名前を聞いたけれど、難しくて聞き取れなかった。

ともかく、どうもありがとう。おじさんたちはとても助かったよ。そのとおりに行くと、村の街路から一段下がった場所に、シュタルデンの小さな駅が見つかった。

16時過ぎ、駅のカフェで一息つくと、生き返った気がした。16時36分のツェルマットへ戻る電車が来るまで、半ば放心状態で、椅子から立ち上がれずにいた。


出かけるときは忘れずに

実は、サイクリングに出発したあとで、tecchanが重要な忘れ物に気がついていた。スイスパスを忘れてきたようだ。我々はこの乗り放題チケットがあるおかげで、この”いってこい”の往復サイクリングを計画したのだが・・・。

バイク用の貨車。車掌さんが積み込みを手伝ってくれた

仕方なく、tecchanはシュタルデンからツェルマットまでのチケットを買うことになってしまった。氷河急行ラインのような山岳鉄道では、運賃が意外に高いことがある。要注意。

「出かけるときは、スイスパスを忘れずに。」だ。

この日の夕食はきのこのソースがかかったパイとライス、サラダ、スープ。
窓からはマッターホルンが見えた

5日目の走行距離:50km (累計190km)
5日目の鉄道移動距離:30km (累計635km)


text:shinnx, photo:commuter, tecchan, shinnx

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