BD-1でアメリカ西海岸周辺を走った模様を紹介するシリーズ記事「BD-1とカリフォルニアに行く」。本記事(4)は、ヨセミテ国立公園にあるヨセミテバレーを走った時の記録。
氷河が作った渓谷、ヨセミテバレー
ヨセミテ国立公園を観光するために、サンフランシスコ市から真東に150マイル (240 km) 移動した。
『明日は、この時期としてはめずらしく大雪が降るのでヨセミテバレーまでは行けないかもしれない』前日に現地の人にそう言われていたが、当日の判断が『大丈夫だ』とのことだったので、出発することになった。
サンフランシスコで体調を崩した私は、クルマで移動している間、ほとんど寝て過ごしたので車窓の風景を見逃してしまった。
何度かの休憩を挟んで約5時間かけてヨセミテ国立公園に到着。まだ春が訪れる前のヨセミテバレーは、雪が降っていてとても寒い場所だった。

ヨセミテバレーは、アメリカ合衆国カリフォルニア州、シエラネバダ山脈西側斜面のヨセミテ国立公園にある氷河の作用でできた渓谷。長さは約8マイル (13 km)、深さは最大1マイル (1,600 m)もある。
ハーフドームやエル・キャピタンといった高い花崗岩の頂に囲まれ、松が鬱蒼と茂っている。
撮影ポイント付きルートマップ
トンネルビューTunnel View
ヨセミテ渓谷を訪れる観光客がまず目にするというTunnel Viewに連れて行ってもらった。生憎の天候だったが、素晴らしい景色だった。
ヨセミテ渓谷はその自然美で知られ、世界中からの観光客を惹きつけている。
観光シーズンには多くの人で賑わうそうだが、トレイルをハイキングする人が多いようだ。
ヨセミテバレーを走る!
翌日の天候は快晴。気温も前日に比べると暖かい。サイクリング日和だ!
午前8時、日本から持参したBD-でこのヨセミテバレーを走り出す。
ロイヤルアーチ Royal Architectural Museum

ヨセミテ国立公園はとても広いところだが、観光ポイントが集中しているヨセミテバレーは、エリアが狭く自転車に乗って移動することができる。
BIKE PATHという自転車が走れる道があり、とても快適。レンタルバイクも利用できるようだ。(1時間$5.50)
ピーリングドームス Peeling Domes
走りだしてみると、切り立った風景がペダルを踏んでクランクをまわすたびにグングンと変わる。写真で見ていたのとは全く違う景色が現れた。

素晴らしい景色が現れた。サインがあったので読んで見る。
Three stages of dome formation are visible from this meadow: Half Dome, North Dome, and the Royal Arches. Like a geological palm-reader, you can read the cliffs’ past and future in their crack-lines. Instead of eroding grain by grain, these granites weather in peeling layers like an onion. Curved slabs 200 feet thick have popped loose from the Royal Arches.
Yosemite’s granites were formed and compressed beneath miles of overlying sediments. The rock remains subjected to enormous internal pressure even when exposed by erosion.
この草原からは、ハーフドーム、ノースドーム、ロイヤルアーチの3つのドーム形成の段階を見ることができます。地質学の手相占い師のように、崖の亀裂線から過去と未来を読み取ることができます。花崗岩は一粒一粒浸食されるのではなく、タマネギのように何層にも重なって風化していきます。ロイヤルアーチから飛び出した厚さ3mの曲がった岩板。
ヨセミテの花崗岩は、何マイルもの堆積物の下で形成され、圧縮されました。浸食によって露出しても、岩は巨大な内圧にさらされたままです。

視界に入ってくるのは、美しい景色だけ。あとは風を切る音だけが聞こえる。
ミラーレイク Mirror Lake
ミラーレイクへ行ってみる。ミラーレイクへは徒歩か自転車でしか行けない。クルマで行く場合は駐車場からかなり歩くことになるが、自転車なら15分くらい坂道を上れば到着する。

ミラーレイクは、鏡のようになった湖面に岩山が映り込む湖。この日は少し風が吹いていたので、鏡にならなかった。

ハーフドーム Half Dome
ヨセミテバレーを象徴する景観の一つ、ハーフドームにもこんな近くまで走って行ける。
ハーフドームは、ヨセミテ渓谷に面する北西側が急峻に切り立っており、南東側は丸みを帯びている。半球を縦に割った様な形状から、ハーフドームという名前が付けられている。
ヨセミテ渓谷の底からの高さは5000フィート(1524メートル)、海抜は約8800フィート(2682メートル)もあるというから驚きだ。

ヨセミテフォール Yosemite Falls
北アメリカで一番の落差(739m)を誇るヨセミテフォールは、アッパーフォール(436m) 、ローワーフォール(97m) 、そしてその間のカスケード(206m) の3段からなる。
アッパーフォールはバレーの各所から見ることができる。

バイクパス Bike Pass
ヨセミテバレーにある主だったビューポイントは、BIKE PATHで見てまわることが出来る。
ルート上にはサイクリスト向けのサインもあるので不安になることも少ない。

キャピタン・メドウズ Capitan Meadows
エル・キャピタンが望めるキャピタン・メドウズにも立ち寄った。下の画像の真反対(背中側)に世界一大きな花崗岩の一枚岩・エル・キャピタンがあるがなぜか撮影していない。

ヨセミテバレービュー Yosemite Valley View
ヨセミテを代表する景色であるヨセミテバレービュー。マーセド川の流れとエルキャピタンの姿が印象的だった。

ヨセミテ渓谷は、かつてここに存在した氷河が作った造形物。そのパワーは計り知れない。
現地にあったサインに恐ろしいことが書かれていた。
Although glaciers ended their work here over 14,000 years ago, The Merced River continues to shape this valley. On January 2, 1997, floodwaters covered the parking lot here to a depth of 6 feet.
氷河は1万4千年以上前にその役目を終えたが、マーセド川は今もこの谷を形成し続けている。1997年1月2日、洪水はここの駐車場を6フィート(約2m)の深さまで覆った。

ヨセミテバレービューから エル・ポータル・ロードを西に下っていく。

少し下ると道端に巨大な岩が現れた。しかも真っ二つに割れていた。

カスケード・フォールズ Cascade falls
さらに下ると、カスケード・フォールズが見られる駐車場に着いた。
カスケード・フォールズ(別名カスケード)は、ヨセミテ西部のハイカントリーにある密林の中からタマラッククリークを経てマーセド川に注ぎ込む500フィートほどの小さな滝。

ヨセミテ渓谷の水はマーセド川や、テナヤ、イリルーエット、ヨセミテ、ブライダルベイルの各クリークなど多くの水流に流れている。
これらのクリークはブライダルベール滝などカリフォルニア州で最大クラスの高さの滝を形成している。カスケードフォールズもそのひとつ。


カスケードフォールズからは、 エル・ポータル・ロードの進路が南に変わる。ダウンヒルを続けているとまた奇岩が現れた。

更に下ると、今度は左手に巨大な岩山が現れた。

ヨセミテ渓谷を走るじてんしゃの旅もそろそろ終わり。セキュリティエントランスの外は、同行しているクルマにBD-1を積み込み移動した。


氷河が作り上げた渓谷・ヨセミテバレーの主だった観光スポットは、じてんしゃで見て回ることができます。今回は下り道をメインに走りましたが、ロードバイクを持っていってヒルクライムを楽しんでも良さそうです。
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