スイス 鉄道と自転車の旅 Day4:(1) ベリンツォーナの古城を巡りフルカ峠の麓へ

総移動距離1,400km。2010年にスイスを自転車と鉄道で旅をしました。Day4は、ルガーノからツェルマットまで鉄道、自転車を組み合わせて200kmを移動。(1)は、ルガーノからベリンツォーナの古城を巡りフルカ峠の麓ニーデルワルトまでの記録(2010/10/05)


ムービー【スイス 鉄道と自転車の旅】DAY4:その1ベリンツォーナの古城巡り


天気に翻弄されるメンバー。朝からライド会議

午前中にルガーノからイタリア・コモ湖まで往復しようと計画していたサイクリングは中止になった。朝、外はまだ雨が降っている。

10月5日(火)・Lugano~Bellinzona~oberwald・天気/雨~曇り 15℃(ベリンツォーナ)~3℃(アンデルマット)~15℃(オーバーワルト)

朝食をとりながら、恒例のライド会議である。本日のプランは・・・、

①ベリンツォーナで世界遺産の古城を巡る。(市街なので雨でも決行)
②アンデルマットで天候判断。可能ならフルカ峠にチャレンジ。
③オーバーワルトで天候判断。可能なら時間が許す限りサイクリング。ナショナルルートNo.1をライド。

ということになった。今日はイタリア国境の街・ルガーノから、スイス南西部のフランス国境に近いツェルマットまでの200km超の距離を移動するので、サイクリングできる時間が少ないのだ。

スイスの朝食

世界遺産、ベリンツォーナの古城を巡る

ルガーノ駅へ向かう

8時30分にユースホステルを出発。9時12分発の電車でベリンツォーナへ向かうことにした。ルガーノ駅に着いてベリンツォーナまでのバイクチケットを買い、ホームに出ると、ルガーノ始発の特急電車はすでにホームに入線していた。

バイクチケット

バイクを積む際、特急電車では事前に予約が必要だったことをすっかり忘れていたが、車掌に頼み込んで、何とかベリンツォーナまでの1駅区間を乗せてもらうことができた。

ベリンツォーナには9時34分に着いた。雨は上がり、時折陽が差している。またしても、スイスの天気である。メンバーもみんな呆れ顔になっている。まあ、いいさ。さあ、古城を巡ろう。

ベリンツォーナの旧市街

ベリンツォーナはスイスとイタリアの交通の要衝として中世から開けた街で、市街に残る3つの古城と城壁を含む旧市街が、世界遺産に登録されている。この古城を見てみたいというのがdaikoooのリクエストだった。

ベリンツォーナの旧市街

駅前で案内地図を確認した我々は、最初に、市街を見下ろす丘の上にあるサッソ・コルバロ城へと向かった。旧市街は細い道が入り組んでいて、早速、ルートを見失ってしまう。地図とナビを照らして、ようやくルートを探し出せたのだが、これがまたも、プチヒルクライムとなってしまった。tecchanのGPSによれば、4kmで230mの登坂だった。平均6%だ。

路面いっぱいに落ちた栗の実を避けながらつづら折れを登っていくと、またしても霧が、あたりを覆いはじめた。今回の旅は、霧が付いて回るのか??

霧の中、森の奥に佇む大きな古城があった。ヨーロッパらしい幻想的な風景だった。町を見下ろすためのテラスに出ると、霧の晴れ間からけむった市街が見えた。

次に、その丘の中腹にあるモンテベッロ城へ向かった。ここへ行くにも急な栗ロードを転げ落ちるように下る。きっと城というのは、高台や山の上になければ機能しないのだ。

この城は市街にも近く、見張りの砦として使われたのだろうか。堅牢な造りが特徴的な城だった。ここまで降りてくると、霧は晴れ、眼下にベリンツォーナ市街が広がる。右側にはゴッタルドの深い谷、左側にはイタリアへと続く開けた谷があり、正面にはもうひとつの城、カステロ・グランデ城と旧市街に残る城壁跡が見えた。


問題のフルカ峠へ

2つの城を巡ると時間切れになってしまった。カステロ・グランデ城を残し、我々は< ベリンツォーナ発12時6分の電車で、フルカ峠の麓、アンデルマットへ向かうことにした。

ベリンツォーナからの列車はゴッタルドトンネルを通過し、いったんアンデルマットの先にあるゲシュネン駅に着く。そこでまた乗り換え、地上の線路でアンデルマットに戻る。

マッターホルン・ゴッタルド鉄道

到着したアンデルマットの天気は、予想を越えて、みぞれまじりの最悪のものだった。考えるまでもなく、アンデルマットより1,000mも高所にあるフルカ峠は雪だろう。ここからのライドはきっぱり諦め、我々はアンデルマットからフルカトンネルを抜けて、オーバーワルトへ向かうことにした。

フルカトンネル

ここで、「峠のお天気マジック」が決まったのだ!! 20kmを越す長い長いフルカトンネルを抜けたオーバーワルトは、曇りだった。時間は14時30分。わずかな時間だが走ろう。

ナショナルルートNo.1は、クール~フルカ峠~フィスプ区間にわたって氷河急行の線路と平行して走っている。ツェルマットに18時ごろに着く電車の時間を見計らって、途中駅で乗り込もうという作戦。

ナショナルルートNo.1の標識

幹線道路の19号をしばらく走り、ミュンスターの先からナショナルルートNo.1へ乗り入れた。

ナショナルルートNo.1

レマン湖へ流れ込むローヌ川に沿った、谷の合間の道を走る。川は、氷河が削った細かな岩のかけらを溶かし込んで、乳緑色の不思議な色をしている。オーバーワルトからはずっと、下り基調のフラットなコースだ。

スイスのサイクリングロードは舗装路ばかりではない。途中でダート道も出現する。しかし、この区間のダートはロードバイクの細いタイヤには少し厳しすぎた。ぬかるんだ泥道だったのだ。タイヤが泥にめりこんで、ハンドルが取られてしまう。しばらく走った後、われわれはあきらめて車道に戻ることにした。

左手にローヌ川、右手に牛が寝そべる牧草地を見ながら走っていると、進行方向の空はいっそう明るくなっていた。天気が良くなるといいなと、メンバーみんなが祈ったはずだ。

ニーデルワルト駅

電車の時間が近づいていた。15時30分。我々はニーデルワルト駅で、わずか1時間のライドを終えた。

4日目の走行距離:約30km (累計140km)
4日目の鉄道移動距離:約130km (累計510km)


text:shinnx, photo:commuter, tecchan, shinnx

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