スイス 鉄道と自転車の旅 Day3:(1) トンネルを越えたらびっくり!!サン・モリッツからツージスへ


総移動距離1,400km。2010年にスイスを自転車と鉄道で旅をしました。Day3は、サンモリッツからティラノへ鉄道、自転車、バスを組み合わせ160kmを移動。(1)はサンモリッツからツージスまでの記録(2010/10/04)






ムービー【スイス 鉄道と自転車の旅】DAY3:その1 サンモリッツからツージスへ40km


スイスの天気って・・・

10月4日(月)・St.Moritz~Bergun~Thusis・天気/曇り~時々晴れ~雨 5℃(サン・モリッツ)~20℃(ツージス)

スイス3日目の朝、サン・モリッツの天気は昨日よりも低い雲が垂れ込んだ曇り空だった。この日の予定は、サン・モリッツからスイス南部のルガーノまでの長距離移動。途中のサンベルナルディーノ峠からベリンツォーナまでのダウンヒルライドを楽しもうという計画だ。

当初はサン・モリッツからアルブラ峠(2,315m)を越えてクールへ向けて走り、その翌日はフルカ峠(2,430m)を越えようと計画していたのだが、天気予報で当日が雨や雪の予報だったため、急遽1週間前に予定を変更してルガーノへの南下を決定したのだったが・・・。

ワゴンタクシーで出発

ユースホステルから例の大型ワゴンタクシーで出発し、サン・モリッツ駅から8時2分発のクール行きの電車に乗り込む。今日はバス輪行があるので、バイクは昨夜のうちに輪行バッグに準備しておいた。

遠くの空は晴れている

雨が降り出しそうなサン・モリッツを出発し、サメダンを経て、列車は長いアルブラトンネルに入った。ほんとうなら今頃、このトンネルの上の峠道を走るはずだったのだがと、恨めしく思いながら・・・。

プレダ駅の直前でトンネルを抜けると、ぱあっと車内が明るくなった。なんてことだ。 雲間から陽が差している!!

トンネルを抜けたら晴れ!

ここで急遽、車中でライド会議が始まった。ここで走ろうと、すぐに決まった。いまはまだ9時前。接続便はあるのか? それは後で調べよう、なんとかなるさ。我々は次のベルギュン駅で降車した。

急いで組みたてて・・・

ベルギュン駅で乗り継ぎ便を調べてもらったら、14時30分発のベリンツォーナ行きのバスがあった。よし、あと4時間は走れる。メンバーの顔が明るくなった。

雨になりそうだったサン・モリッツからベルギュンまで、直線距離なら20kmもない。アルブラ山系を越えただけで、天気がぜんぜん違う。またしてもスイスの天気に翻弄されてしまっている・・・。


ランドヴァッサー鉄道橋を見に行こう

ベルギュン駅からアルブラ峠の方向を振り仰ぐと、雨か雪かは知れないが厚い雲が広がっていた。真上の空は雲の切れ間から青空が見えている。サイクリングルートNo.6は、駅の前を通っていた。ベルギュンの標高1,370m、そこから標高700mのツージスまで、標高差700m、距離40kmのダウンヒルライドだ。

ベルギュン駅前はナショナルルートNo.6が接続していた

アローラ川に沿って、深い渓谷を抜けるワインディングロードを、気持ちよく駆け下りる。うわー、という歓声が前から後ろから聞こえる。目前のカーブに集中して、バイクを切り返す。その繰り返しが楽しい。

朝日が差し込む中秋の森は明るく、緑、黄色、ときおり赤の木々の色のコントラストが美しい。カーブを曲がるごとに風景が変わる。時折、谷の切れ間に開けた村も見える。その向こうには遠く雪を頂いた山々。そんな景色が、スイスサイクリングをいっそう楽しくしているんだろう。

美しい峠道

途中でサイクリングルートは車道からわき道に入り、林道になった。しばらく走ってみたが、下りのダート道はあんまり楽しくない、ということで、もとの車道へ復帰。これが結果的に良かった。

車窓から見るはずだった、アルブラ線の名所ランドヴァッサー鉄道橋を見に行こう。地図を確認すると、この先のフィリズールにあるようだ。

この標識を見落とすとランドヴァッサーには出会えない

フィリズール駅を過ぎ、ツージスへ向かって右手の山の切れ目に、ちらっと橋が見えているのを、tecchanとshinnxが発見した。サインらしきものを探すと、道路から少し入った空き地の先に、小さな案内サインがあったが・・・。これじゃ注意していないと分からない。日本だったら10km手前から案内看板が出てるよ、と、commuter。たしかに。


建造から100年。レイティッシュ鉄道の歴史遺産

案内サインの方向へ森の中の小道を1kmほど進み、ランドヴァッサー川の川原に出たところに、そそり立つようにしてランドヴァッサー鉄道橋はあった。

ランドヴァッサー

ランドヴァッサー峡谷にかかるこの鉄道橋は、1901年から1903年にかけて難工事の末に完成。以来、今日までアルブラ線の歴史とともにある。その存在感は圧巻だった。石造りに見えた古い鉄道橋は、その柱に近づいてみるとレンガ造りだった。100年の年月に表面が風化し、周りの岩肌と同じような灰色に変わっていた。

遠近感がおかしい

ツージスから来た電車は、50mを越えるレンガ積みのアーチに支えられた緩やかにカーブする鉄道橋を渡り、対岸の岩山に掘られたトンネルに吸い込まれていく。そのトンネルもまるで、山腹に空いた、ただの穴のようだ。

スイスの鉄道土木技術は、急峻な地形の国土に鉄道ネットワークを敷設するためと、観光資源である山岳観光を発展させるために、早い時期から高度に発達したものだと聞く。この鉄道橋だけでなく、高度3,000m以上の展望台まで登る登山鉄道や、先日貫通した世界最長56.7kmにも及ぶ新ゴッタルドトンネルなど、その技術成果には驚くばかりだ。


トンネルとヒルクライムと古城を経てツージスへ

10時半過ぎ、ランドヴァッサー鉄道橋を後にして、ツージスへと向かった。ティーフェンキャステルあたりから、車の交通量が多くなってきた。片側1車線でバイクレーンがない狭い道路で、時折上り返しの急坂もあり少し走りにくくなってきた。そこに現れたのが、長いトンネルだった。スイスは鉄道ばかりでなく、トンネルを通すのがよっぽどお好きらしい。

バイクの横をスピードを上げた車が追い越していく。トンネル内にエンジン音が反響して、余計に怖い。

長い長いトンネルが2本続き、生きた心地がしませんでした(commuter談)

2本目のトンネルが現れたとき、commuterの提案で回り道を探すことにした。携帯していたナビでルートを探してみると、少し戻ったところからわき道に入れば、ツージス方面に抜けられる・・・ように見えた。

来た道を500mほど戻り山道に入ると、いきなり斜度10%はありそうな直登の坂が待っていた。それでもトンネルよりはマシかと登ってみるが、いくつかのカーブをこなし、ずいぶん上ってきたぞというあたりで、先行していたdaikoooとtecchanが停車。そこから先は、マウンテンバイクコースとハイキングコースになっていた。

tecchanが持っているGPSは標高1,200m近くを指している。登り口では900mもなかった。3~4kmくらいの距離で、300m以上も上ったのか。

サインの案内には、我々の目的地のツージスを示すものもなく・・・。ミスコースだ。我々はうなだれ、せっかく登った急坂を降りた。このときはみんな、ダウンヒルも面白くなかった・・・ようだ。

あとでdaikoooいわく、あの坂はヤビツ峠の蓑毛の直登を2本くらい上ったみたいだった、と。結局その後のトンネルは、トンネル内の歩道を走ってやり過ごした。

さて、ツージスに近づいた。空はだんだん雲が厚くなり、時折雨粒が落ちてくる。

カンピの村で、崖の突端にある古城を発見したので見学することにした。城というより砦のような、13世紀に造られたほとんど残骸に近いものだったが、きちんと保存されているようだった。

地震のない地域だとはいえ、スイスの街なかには、古い建造物が普通に残り、生活の場にもなっている。そういうものが、スイス、ひいてはヨーロッパの風景や文化の大きなベースにもなっているんだろう。

古城を出てしばらくサイクリングロードを走ると、ツージスの町に入った。ここからはベリンツォーナへ向けて、バスの旅だ。

3日目の走行距離:約40km (累計110km)


text:shinnx, photo:commuter,tecchan,shinnx

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