2022年夏、日本が過去150年近くで最悪の熱波に見舞われており、各地でうだる暑さが続いている。この暑さの中で運動する時、我々サイクリストはどんなことをすれば自分の体を守れるのか。正しい脱水対策をして熱中症になることを防ぎたい。
目次
脱水症を予防すると熱中症にならない
気温が高い環境でサイクリングなどの運動をすると体温が上がって、その体温を下げるために発汗が起こる。発汗で体の水分や塩分が失われると、脱水症状となる。熱中症の発生メカニズムは、
体温上昇→発汗→体液不足(脱水症)→発汗ストップ→熱中症
ということなので、脱水症を予防することが熱中症を予防することになる。
参照サイト:かくれ脱水JOURNAL
正しい対策で脱水を予防する
では、サイクリング中に脱水症にならないようにするためにどうすればよいかというと、それは次のような基本的な対策だ。
前夜に深酒しない
前夜に深酒をすると、カラダは朝から脱水状態になっている。カラダが脱水状態のまま朝から走り出すことは危険だ。
朝食を摂る
サイクリング当日の朝食は、走り出す前の数時間前には済ませておく。食事から摂取できる糖分は運動のエネルギーになるし、塩分などのミネラルや食事をすることによって作られる体の中の水分は脱水対策に有効だ。
すぐ乾く風通しの良いウェアを着る
サイクリストには、もはや常識となっていることだが、即乾性のウェアを着ることは、快適なサイクリングにとって必須項目だ。
ヒトは汗が蒸発する際に気化熱として熱を奪ってくれることで体温を調節している。湿気が多く、皮膚が濡れている状況が続くと、汗の蒸発が妨げられ、その結果、体温調節が難しくなって熱中症の原因にもなる。速乾素材のウェアや風通しの良いウェアを着よう。
水分を摂る。時には経口補水液を利用する
当然のことだが、走っている間はこまめに水分補給をする。飲用だけでなく体にかけることによって冷やす効果が期待できる真水の利用が一般的だが、余裕があれば経口補水液も携帯したい。
真夏に風通しの悪い林道をヒルクライムしている時は、玉のような汗をボタボタとかく事があるだろう。前述したが、発汗による水分・塩分の喪失でヒトは脱水症状になる。
ヒルクライムなどで大量発汗した場合は、素早く水分と電解質を補給できる経口補水液の利用して脱水症状を改善したい。
wikipediaには経口補水液について以下のような記載がある。
経口補水液とは、食塩とブドウ糖を混合して、適切な濃度で水に溶かしたものである。真水の飲用よりも、これを飲用した方が小腸における水分の吸収が円滑に行われるため、主に下痢・嘔吐・発熱・発汗による脱水症状の治療に用いられる。
ちなみに、塩分などの電解質を含まないミネラルウォーターだけ飲み続けると、水分の補給過多になって体液が薄くなる。こうなると体内の電解質が薄まるのを阻止するために尿として体外へ出ていくという現象が起きる。尿には大切な電解質が含まれているので増々体液が薄まるという悪循環に陥る。いわゆる水中毒だ。
体を冷やす休憩する
暑いアスファルトの上を走り続けたときには、体温が上がりすぎないように、木陰で休憩したり水をかけて体を冷やすといいだろう。水分補給のために経口補水液、体を冷却するために水を入れたボトルを持つ。夏場はボトルを2本持ち、あるいはキャメルバックの活用をすると脱水対策がうまくいく。
暑さ指数(WBGT)を活用する
暑さ指数(WBGT)を活用して、数値があまりにも高い日にはサイクリングを中止にするなど行動の指針にするのもいいだろう。
暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防することを目的とした指標。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されるが、気温とは異なる。人間の熱バランスに影響の大きい
気温 湿度 輻射熱
の3つを取り入れた指標となっている。最近は、Yahoo天気予報などのスマホアプリでも数値を確認できる。
暑さ指数(WBGT) | 熱中症予防 運動に関する指針 |
31℃以上 | 運動は原則中止 |
28℃~31℃ | 厳重警戒(激しい運動は中止) |
25℃~28℃ | 警戒(積極的に休憩) |
21℃~25℃ | 注意(積極的に水分補給) |
21℃未満 | ほぼ安全(適宜水分補給) |
環境省 熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
自転車専用設計の真空断熱ボトルの活用
最近は、自転車のボトルゲージに装着できるの真空断熱ボトルが増えてきた。冷たい飲み物を飲むこと自体は、脱水予防にならないかもしれないが、太陽に温められたぬるいドリンクを飲むよりも飲水が進む気がする。私は保冷保温両用のThermos/FJF-580を使っている。
こちらは、飲み口がホットでもOKなマグタイプ。飲み口がストロータイプのFFQ-600もありますが、冬場も使用したい自分はFJF-580を選択した。
真空断熱ボトルを暑熱環境で使用
ある真夏の日に真空断熱ボトルを使ってみた。この日の最高気温の予想は38℃。
走り出して1時間ほど経過した午前10時で、すでにGarminには気温が39.5℃と表示されていた。しかし、ボトルの中のドリンクは入れておいた氷も溶けておらず、冷え冷え。
気候の変動により、日本の夏がどんどん暑くなっている。暑い夏にサイクリングする際に脱水を予防する対策をまとめてみた。コロナ禍で医療が逼迫している今、サイクリングで熱中症になって救急搬送されるわけにはいかない。自分の体は自分で守り、熱中症などにならず楽しくサイクリングすることを心がけたい。
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